株式会社シーテクノ
マグロを使った自社商品に挑戦 地域に貢献できる商品開発を目指す
商工会議所を通して人とのご縁が広がりました。
多くの方が力を貸してくれたからこそ、今回の商品も実現できたと思います
経営のさまざまな相談、人脈作りに商工会議所を活用
新潟県内の大手スーパーをメインに、業務用冷凍マグロの卸売りを行うシーテクノ。6年前から同社を率いる神蔵社長は、「経営について全く分からなかったときにネットで商工会議所の存在を知り、経営指導員の方にアドバイスを受けるようになりました。新潟県よろず支援拠点の先生を紹介してもらい、会社の現状分析を行っていただいたのも大変助かりましたね。今も毎年経営相談を受けていますし、ビジネス情報交換会などをきっかけに、いろいろな方と知り合えたことも良かったです」と語る。
新事業として「まぐろみそ」の開発、販売に着手
昨年4月に発売した自社商品「まぐろみそ」の開発も、商工会議所への経営相談がきっかけ。近年、マグロの仕入れ価格が高騰していることから、新事業を考えることを勧められた。「よろず支援拠点」からさまざまな商品開発の提案をもらったが、商品化はなかなか難しく、そんなとき『にいがた食と農の加工連携事業協同組合(※)』を紹介され、組合に加入して“まぐろみそ”を共同開発することにした。
組合員の意見を聞きながら商品を完成させ、新潟駅・長岡駅・越後湯沢駅の「ぽんしゅ館」で販売を開始。ところが売上は苦戦し、卸売業者から「他の商品との差別化ができていない」という厳しい指摘も受けた。そこで山古志のかぐら南蛮、佐渡の行者にんにくを使い、新潟色を出した商品に改良することにしたという。
味、原材料、パッケージなどを見直した第二弾のまぐろみそは、「かぐら南蛮」と「行者にんにく」の2種類を用意。土産用だけでなく、弁当やおにぎりの具材に使う業務用としても販売を展開していく予定だ。
※生産者・加工会社・販売業者が協力して加工食品の開発を行う組合
良質な雇用を地域に提供することが会社の役目
同社は昨年、商工会議所の支援を受けて経営力向上計画を作成。認定後、マル経融資制度(小規模事業者経営改善資金融資)※を申請し、商品改良に活用した。味も格段に良くなり、新しいパッケージもデザイン専門の会社に依頼した。また、業務用商品として展開しないかという引き合いもきている。今後は佐渡のナガモなど新潟の産物を活用した特色のある商品を開発し、地域に貢献したいという。
「自分の利益だけを追求するのではなく、関わる人みんなで利益を分かち合うほうが持続的な成長ができるのではないでしょうか。そういう理念で経営を行い、良質な雇用を地域に提供することが目標ですし、会社としての役目だと思います。今は新型コロナの影響もあって苦しい状況ですが、いつか新潟のスポーツ文化にも貢献できる会社になりたいですね」と夢を語った。これからも人との縁を大切にしながら新たな挑戦を続ける。
※ マル経融資制度 (小規模事業者経営改善資金融資)
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