医療コラム

健康診断の活用法

健康診断の活用法


(一社)新潟県労働衛生医学協会

  健康づくり推進部 保健師 宗村 綾香

 新年度を迎え、さっそく健康診断が始まる事業所様も多いのではないでしょうか。また、新入社員の方の中には、学生の時とは違う健康診断内容に戸惑っている方もおられるのではないかと思います。
 今回は、事業所でおこなう健康診断の意義と活用法についてお伝えいたします。

1 健康診断とは
 健康診断の主な目的は、働く人の職場環境要因による健康影響を早期に発見することに加えて、集団の健康レベルを把握し、労働者への作業管理、作業環境管理、保健指導等に役立たせることを目的としています。
 労働安全衛生法や労働安全衛生規則により、事業者と従業員にその実施が義務付けられており、新入社員の方は、雇入時の健康診断を行うことも義務付けられています。また、有機溶剤や化学物質を取り扱う労働者を対象にした、特殊健康診断という健康診断もあります。

2  健康診断は健康のバロメータ
 健康診断結果は、「健康」を数値で客観的に判断できる指標です。健康診断を受けるだけでは健康になりません。結果をどのように活用するかが重要です。活用のポイントを2つご紹介します。

①異常があったら放置しない
 健康診断結果で、総合判定C(要経過観察)の方は、該当する生活習慣を改善し、3~4か月後に再検査を受け、改善効果の有無を確認してください。また、総合判定でD2(要精密検査)、D1(要医療)となった方は、必ず医療機関を受診してください。

② 経年的な数値の変化を確認しましょう
 異常の判定ではないけれど、年々悪くなっている検査値はありませんか。生活習慣の状況と照らし合わせることで、改善が必要なポイントを早期に見つけだすことにつながります。


 なお、当会では、管理栄養士や保健師による、生活習慣改善の方法に関する教育活動もおこなっています。どうぞお気軽にご連絡ください。

 

  新潟県労働衛生医学協会 健康づくり推進部  ℡370―1945