医療コラム

食中毒予防について

食中毒予防について


(一社)新潟県労働衛生医学協会

  健康づくり推進部 保健師 宗村 綾香

  夏場の気温や湿度が上がるこの時期、注意していただきたいのが食中毒です。
 今回は、食中毒の予防を中心にお伝えいたします。

1.食中毒の症状と発生件数
 食中毒の多くは嘔吐や腹痛、下痢、発熱などを引き起こし、乳幼児や高齢者では症状が重くなることがあります。
 平成28年の国の統計では、食中毒の発生は1139件、患者数は20252人と報告されています。発生場所の約70%は飲食店等の食品を扱う施設であり、次いで家庭が約10%、事業所が3.5%となっています。

2.食中毒の原因
 国の調査によると、食中毒の原因の約90%が、黄色ブドウ球菌などの細菌とノロウイルスなどのウイルスです。残る10%は、アニサキスなどの寄生虫、洗剤などの混入による化学物質、そして毒キノコやふぐなどの自然毒が報告されています。
 食中毒の原因の約90%を占めている細菌・ウイルスは、目に見えませんが、土壌や河川などの自然環境、動物の腸内、私たち人間の皮膚など、至るところに存在しているといわれています。

3.食中毒の予防の手立て
 食中毒予防の原則は、「つけない」「増やさない」「やっつける」「持ちこまない」「ひろげない」です。
 食品に触れる場合は、前後の手洗いや調理器具の洗浄と消毒で、食品に菌をつけないことが基本です。手を洗う際は、水洗いだけでなく、石鹸などを使用して、爪や指の間、手のひら、手の甲、手首までよく洗い、水で十分に流した後、よくふき取ることが大切です。
 細菌の多くは高温多湿な環境で活発に増殖しますが、10 ℃以下では増殖がゆっくりになり、マイナス15℃以下では増殖を停止するといわれています。また、食品は充分な加熱を行いましょう。食品の中心部が75℃以上で1分間以上が目安とされています。さらに、食品は早めに食べ切ることを心掛け、夏場の食べ残しなどは室温に放置せず、冷蔵庫に入れることで、菌の増殖を防ぎましょう。

 当会では、栄養士や保健師による食中毒予防に関する教育活動もおこなっています。どうぞお気軽にご連絡ください。

 

  新潟県労働衛生医学協会 健康づくり推進部  ℡370―1945

アルコールとの上手なつきあい方について

アルコールとの上手なつきあい方について


(一社)新潟県労働衛生医学協会

  健康づくり推進部 保健師 宗村 綾香

 これからの季節は、暑気払いやお祭りなど、飲酒機会が増える方も多いのではないでしょうか。
 今回は、アルコールと上手につきあうためのポイントをお伝えします。

1.お酒は百薬の長?
 適量のお酒には、リラックス効果やストレス解消効果、人間関係を円滑にする効果があると言われます。飲酒習慣の無い方の中には、少し無理をしても飲んだ方がよいのではと考える方がいらっしゃるかもしれません。
 しかし、体内でアルコールを分解する過程で発生する「アセトアルデヒド」は有害物質であり、二日酔いの原因となるほか、発がん性が疑われているほど毒性が強いこともわかっています。
 特に、飲酒が苦手な方や、飲酒後に皮膚が赤くなる方は、無理に飲む必要はありません。

2.アルコールの適量とは
 一般的な適量の目安は、男性の場合、ビールであれば500ml、日本酒であれば1合程度ですが、女性の場合はこの約半分量です。これくらいの量だと、飲んだ気がしないという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、過度の飲酒は、肝臓病、脳血管疾患、糖尿病、高血圧など、多くの健康障害を引き起こします。
 また、習慣的な飲酒は、アルコール依存症につながりやすいこともわかっています。いわゆる休肝日は、肝臓を休ませるだけでなく、依存症を予防する意味でも大切です。週に1~2日の休肝日を設けましょう。

3.アルコールを飲む際の注意点
①アルコールには利尿作用があり、飲酒は脱水状態を引き起こしやすくなります。飲酒の合間や飲酒後には、水などを適度に補給し、脱水状態を防ぎましょう。
②飲酒後は、運動や入浴を避けましょう。飲酒時は、普段より判断能力や運動機能が低下していますので、思わぬ事故につながる危険性があります。

 当会では、栄養士や保健師によるアルコールとの上手な付き合い方に関する教育活動もおこなっています。どうぞお気軽にご連絡ください。

 

  新潟県労働衛生医学協会 健康づくり推進部  ℡370―1945

歯の健康ついて

歯の健康ついて


(一社)新潟県労働衛生医学協会

  健康づくり推進部 保健師 宗村 綾香

 歯は、食べ物をかみ砕き消化を助けるとともに、発音や表情などコミュニケーションを円滑におこなうなどの大切な働きをしています。
 今回は、歯や口腔の健康を保つポイントについてご紹介します。


1.歯の本数と健康寿命
 私たちの歯(永久歯)は、親しらずを除き全部で28本あります。しかし、国の調査によると、高齢になるほど歯を失う人が多くなり、75歳以上の方では本来の半数以上が失われている状況です。
 一方で、歯の喪失が少ない高齢者は“食べる”〝話す”といった機能が保たれることで、その人らしく生活できる期間(健康寿命)が長くなる傾向にあります。歯を失わないに越したことはありませんが、20本以上の歯が残っていれば、硬い食品でもほぼ満足に噛めることがわかっています。

2.歯を失う原因
 歯を失う原因の80%以上は、むし歯と歯周病であると言われています。むし歯は、歯の表面のプラーク(歯垢)に存在する細菌が増殖し、糖質をもとに作り出す酸が歯を溶かすことで生じます。
 歯周病は、歯と歯ぐき(歯肉)のすきま(歯周ポケット)へ、プラークや歯石の細菌が侵入し、歯肉を炎症させ、歯を支える骨を溶かしてグラグラにする病気です。多くは気づかないうちに進行し、歯肉からの出血などが起こった後、歯が自然に抜け落ちるほど重症化することもあります。

3.むし歯と歯周病を予防するために
①むし歯と歯周病の予防には、フッ素化合物が有効です。フッ素化合物を含む液体や塗り薬、歯磨き粉をお勧めします。また、歯ブラシによる清掃に加えて、デンタルフロスや歯間ブラシによる歯間部清掃をおこない、口の中を清潔に保つことが必要です。
②歯科検診を受けましょう。年に1回は歯科検診を受け、専門家の視点で歯や口腔の状態を確認してもらいましょう。自分では取り除けない歯垢や歯石の除去や、疾患が見つかれば治療を必ず受けることが大切です。

 なお、当会では、保健師による歯や口腔の健康に関する教育活動もおこなっています。どうぞお気軽にご連絡ください。

 

  新潟県労働衛生医学協会 健康づくり推進部  ℡370―1945

職場の受動喫煙防止対策

職場の受動喫煙防止対策


(一社)新潟県労働衛生医学協会

  健康づくり推進部 保健師 宗村 綾香

 平成26年に労働安全衛生法の一部改正が公布され、この中で受動喫煙防止対策は、事業者の努力義務となりました。今回は、受動喫煙
防止対策の背景と取り組みについてお伝えいたします。

1 受動喫煙による健康被害の現状
 受動喫煙とは、喫煙により生じた煙や、喫煙者が吐き出した煙を二次的に吸うことをいいます。国立がん研究センターが、職場における受動喫煙と死亡の関係を調査し、年間で3625人の方々が死亡されていると推計しています。
 たばこの煙には、200種類以上の有害化学物質が含まれており、受動喫煙でも肺がんや脳梗塞、心筋梗塞などのリスクが上昇することがわかっています。職場が禁煙に取り組むことにより、心筋梗塞などの心臓病で入院するリスクが約10%前後低下するという研究もあります。

2 日本の受動喫煙防止策
 平成24年の国の調査によると、喫煙室の設置など受動喫煙対策に取り組んでいる事業所は、61・4%にとどまっています。
 厚生労働省は、平成32年までに「受動喫煙のない職場の実現(ただし、喫煙室は容認)」を事業者に求めており、屋内全面禁煙化や、排気装置など「一定の要件を満たす」喫煙室の整備等の取り組みを推奨しています。

3 受動喫煙のない事業所を目指して
 受動喫煙防止対策は、事業所全体で取り組むことが大切です。喫煙者、非喫煙者ともに、取り組みへの理解と協力が欠かせません。まずは、お互いにたばこに対する正しい知識を持つことが必要です。
 その上で、喫煙される方は、喫煙しない方への健康被害を考え、指定の場所以外で吸わないことを守りましょう。そして、自身と周りの方々の健康のためにも、今回の法律の改正をきっかけに、禁煙に挑戦してみてはいかがでしょうか。
 また、喫煙されない方は受動喫煙を防ぐため、たばこの煙を避けることが大切です。

 なお、当会では、禁煙外来や、保健師によるたばこに関する教育活動もおこなっています。どうぞお気軽にご連絡ください。

 

  新潟県労働衛生医学協会 健康づくり推進部  ℡370―1945

健康診断の活用法

健康診断の活用法


(一社)新潟県労働衛生医学協会

  健康づくり推進部 保健師 宗村 綾香

 新年度を迎え、さっそく健康診断が始まる事業所様も多いのではないでしょうか。また、新入社員の方の中には、学生の時とは違う健康診断内容に戸惑っている方もおられるのではないかと思います。
 今回は、事業所でおこなう健康診断の意義と活用法についてお伝えいたします。

1 健康診断とは
 健康診断の主な目的は、働く人の職場環境要因による健康影響を早期に発見することに加えて、集団の健康レベルを把握し、労働者への作業管理、作業環境管理、保健指導等に役立たせることを目的としています。
 労働安全衛生法や労働安全衛生規則により、事業者と従業員にその実施が義務付けられており、新入社員の方は、雇入時の健康診断を行うことも義務付けられています。また、有機溶剤や化学物質を取り扱う労働者を対象にした、特殊健康診断という健康診断もあります。

2  健康診断は健康のバロメータ
 健康診断結果は、「健康」を数値で客観的に判断できる指標です。健康診断を受けるだけでは健康になりません。結果をどのように活用するかが重要です。活用のポイントを2つご紹介します。

①異常があったら放置しない
 健康診断結果で、総合判定C(要経過観察)の方は、該当する生活習慣を改善し、3~4か月後に再検査を受け、改善効果の有無を確認してください。また、総合判定でD2(要精密検査)、D1(要医療)となった方は、必ず医療機関を受診してください。

② 経年的な数値の変化を確認しましょう
 異常の判定ではないけれど、年々悪くなっている検査値はありませんか。生活習慣の状況と照らし合わせることで、改善が必要なポイントを早期に見つけだすことにつながります。


 なお、当会では、管理栄養士や保健師による、生活習慣改善の方法に関する教育活動もおこなっています。どうぞお気軽にご連絡ください。

 

  新潟県労働衛生医学協会 健康づくり推進部  ℡370―1945

歓送迎会シーズンを乗り切るコツ

歓送迎会シーズンを乗り切るコツ


(一社)新潟県労働衛生医学協会

  健康づくり推進部 保健師 宗村 綾香

 歓送迎会の季節を迎え、これから宴席が続くという方も多いのではないでしょうか。今回は、歓送迎会シーズンを楽しく・健康に過ごすためのコツをお伝えします。

1  歓送迎会の宴席を楽しむために
 食べ過ぎや飲み過ぎになりがちな宴席ですが、体に負担をかけにくい食べ方・飲み方のポイントを3つご紹介します。

① 空腹での飲酒は避けましょう。胃に負担を掛け、悪酔いの原因となるほか、体がエネルギーを吸収しやすくなり太る原因ともなります。アルコールを飲む前には、サラダなどで野菜や大豆食品、魚類などの低カロリーで良質なたんぱく質が多い料理を、先に食べておくことをお勧めします。

② 飲酒の合間には、水分をこまめにとりましょう。お酒を飲むと体が脱水状態となりがちです。悪酔いや二日酔いを防ぐためにも、水などを意識して積極的に摂りましょう。

③ 宴席の雰囲気や会話を楽しんで、ゆっくり食べて飲むことが大切です。ゆっくり楽しむことで、満腹感も得られやすくなり、過剰な飲食を防ぐことにもつながります。

2 宴席後の体調の戻し方
 気を付けていても、ついつい飲み過ぎてしまったという時に、早めに体調を戻すには、食事と休養が大切なポイントとなります。
 まず、宴席の翌日は、できるだけ胃を休ませる日と考えて、消化の良いものを軽めに食べることを心がけましょう。また、野菜や果物をしっかり食べてビタミンやミネラルを補給することが、肝臓の機能回復にも役立ちます。
 また、宴席の翌日は、いつもより早めの就寝を心がけ、疲労回復を心がけましょう。もちろん、できるだけ2日連続となる宴席は避け、胃や肝臓も積極的に休めましょう。


 なお、当会では、管理栄養士や保健師による、おいしく健康的なアルコールとの付き合い方に関する教育活動もおこなっています。どうぞお気軽にご連絡ください。

 

  新潟県労働衛生医学協会 健康づくり推進部  ℡370―1945

骨粗しょう症の予防

骨粗しょう症の予防


(一社)新潟県労働衛生医学協会

  健康づくり推進部 保健師 宗村 綾香

 骨粗しょう症は、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。
 骨折する部位によっては、寝たきりになるなど、その後の人生や寿命に大きく関わることもあります。今回は、骨を強くして、骨粗しょう症を予防する方法についてのお話です。

●骨は少しずつ生まれ変わっています
 骨は、一度できたら変化しないようなイメージをお持ちの方がいらっしゃるかもしれませんが、毎日、新陳代謝を繰り返している組織です。古くなった骨は、少しずつ破はこ つ骨細胞の働きによって溶かされ、溶けた骨の箇所は、骨こつ が芽細胞の働きによって、新しい骨が作られていきます。
 この新陳代謝は、カルシウムの働きと関係があります。カルシウムは骨の主成分ですが、血液や細胞内にも存在しており、神経伝達や筋肉を動かすこと、ケガなどで出血した時に血液を凝固させるなど、多くの生理機能に不可欠で大切な働きをしています。
 血液や細胞内のカルシウムの量を一定に保つためには、骨に蓄えられたカルシウムを溶かしながら、また、同時に作りながら骨は日々生まれ変わっています。

●骨粗しょう症を防ぐために
①食生活
カルシウムとカルシウムの吸収を助けるビタミンDを多く含む食品を摂ることが大切です。カルシウムは乳製品や大豆製品、小魚、緑黄野菜、海草などに多く含まれています。ビタミンDは魚や干し椎茸などに多く含まれています。バランスのよい食事をすることが必要です。

②日光に当たる機会
ビタミンDは、日光の紫外線の作用で皮膚でも作られます。このビタミンDは、腸からのカルシウム吸収を促進する大切な働きをしており、適度に日光に当たる機会が必要です。

③運動習慣
運動することで骨に力がかかると、骨を作る細胞の働きが活発になります。また、筋肉が鍛えられ、転びにくくなり、骨折の防止にもつながります。大切なことは毎日楽しみながら続けることです。


 当会では骨粗しょう症の検査を行っています。また、管理栄養士や保健師による骨粗しょう症予防や、転倒予防の教育活動もおこなっています。どうぞお気軽にご連絡ください。


  新潟県労働衛生医学協会 健康づくり推進部  ℡370―1945

快適で安全、健康な 職場環境づくりのために

快適で安全、健康な職場環境づくりのために


(一社)新潟県労働衛生医学協会

  健康づくり推進部 保健師 鈴木 沙織

 私たち労働者は、生活時間の3分の1を職場で過ごしています。職場はいわば、労働者の生活の場ともいえます。この生活の場を健康リスクや疲労、ストレスを感じることが少ない快適で安全、健康な職場環境にするため、労働安全衛生法令や指針、ガイドラインの整備がされてきました。
 その中でも今回は、平成4年に厚生労働大臣より公表された「事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針」(快適職場指針)についてご紹介します。皆さんの職場でぜひご活用ください。

快適職場指針の4つのポイント

①「作業環境の管理」
労働者が不快と感じることがないよう、空気の汚れ、臭気、温度、湿度等の作業環境を適切に維持管理すること。

②「作業方法の改善」
心身の負担を軽減するため、相当の筋力を必要とする作業等について、作業方法を改善すること。

③「労働者の心身の疲労の回復を図るための施設・設備の設置・整備」
疲労やストレスを効果的に癒すことのできる休憩室等を設置・整備すること。

④「その他の施設・設備の維持管理」
洗面所、トイレ等職場生活で必要となる施設等を清潔で使いやすい状態にしておくこと。快適な職場環境づくりを進めるに当たって考慮すること継続的かつ計画的に取り組めるように、快適職場推進担当者の選任等、体制の整備などを行うことが大切です。

 また、作業者の意見を反映させる場を確保することや、温度、照明等、職場の環境条件について年齢等、個人差へ配慮することも必要となります。詳しくは、中央労働災害防止協会安全衛生情報センターのホームページをご覧ください。
 
 また、当会では、労働衛生コンサルタントや保健師等による職場環境づくりの教育活動もおこなっています。どうぞお気軽にご連絡ください。


  新潟県労働衛生医学協会 健康づくり推進部  ℡370―1945

糖尿病について

糖尿病について


(一社)新潟県労働衛生医学協会

  健康づくり推進部 保健師 鈴木 沙織

 糖尿病は、血液中のブドウ糖が多い(高血糖)状態が慢性的に続く病気で、大きく分けて「1型糖尿病」と「2型糖尿病」があります。
 1型糖尿病は、自己免疫により血糖値を下げる働きのあるインスリンというホルモンが、全くあるいはほとんど分泌されないことで発病する糖尿病です。
 2型糖尿病は、糖尿病全体の9割以上を占めており、肥満・運動不足・ストレスなどをきっかけに発病し、インスリンが出ていても効果が作用しにくくなる病気です。初期段階では、自覚症状が無いことが多く、放置し状態が進行すると、網膜症や腎臓病、足の壊疽など怖い合併症に繋がる恐れがあります。今回は、2型糖尿病の予防のポイントを紹介します。

1 健康診断のポイント
 職場の健康診断では、糖尿病に対して血液検査と尿検査を行います。血液検査では血糖値とヘモグロビンA1cに、尿検査では尿糖に注目してください。異常があったら放置せず、かかりつけ医か糖尿病の専門医に相談しましょう。これが早期発見のポイントです。また、健康診断の肥満にも注目しましょう。

2 食事のポイント
 肥満を予防するために、摂取エネルギー量を適正にすることが大切です。具体的には、次の6項目がポイントです。①腹八分目を心がける②食品の種類をできるだけ多くする③脂肪は控えめにする④野菜、海藻、きのこなど、食物繊維を多く含む食品をとる⑤朝食、昼食、夕食を規則正しくとる⑥ゆっくりよく噛んで食べる。ご自身の食生活を見直しましょう。

3 運動のポイント
 運動はインスリンの働きを改善する効果があります。できれば毎日行うことが基本ですが、少なくとも隔日に1週間3日以上の頻度で実施することが望ましいとされています。例えば、歩行運動であれば1日1回30〜40分間、さっさのリズムで、続けて歩く、またはこれを2回に分けて歩くことです。


 当会では、保健師等による糖尿病予防の教育活動もおこなっています。どうぞお気軽にご連絡ください。


  新潟県労働衛生医学協会 健康づくり推進部  ℡370―1945

働く世代に多いがんについて

働く世代に多いがんについて


(一社)新潟県労働衛生医学協会

  健康づくり推進部 保健師 鈴木 沙織

 私たちのおよそ2人に1人が、がんになり、かかった人の3人に1人が、がんで命を落としています。日本は世界有数の「がん大国」であります。がんは『他人ごと』ではありません。
 今回は、働く世代に多いがんと、それを早期発見するために必要ながん検診の助成事業についてご紹介します。

1、働く世代に多いがん
●大腸がん
 大腸は筒状の臓器で、大腸の壁はいくつかの層が重なってできています。大腸がんは、その最も内側をおおう粘膜から発生する病気です。近年男女とも40歳代・50歳代に増えています。

●乳がん
 乳房の中にある乳腺(母乳をつくるところ)にできるがんです。特に40歳代後半に最も多く発生しています。女性にできるがんの中で一番多く、乳がんだけで交通事故死の2倍の方が亡くなっています。

●子宮頸がん
 子宮の入り口である子宮頸部の表面の細胞から発生するがんです。近年20歳代や30歳代の若年層で増加傾向にあります。子宮頸がんは、若い女性の妊娠や出産の可能性を、さらに健やかな日常生活を奪うことになります。

2 、がんを早期発見し、早期治療するために、がん検診を受けましょう
 働く人のがん対策は、医療保険者や市町村が実施主体となり、生活習慣病予防健診や各種がん検診などでがん対策を行っています。医療保険者によって、生活習慣病予防健診の中にがん検診の検査項目が含まれている場合や、がん検診として独立し
て検査を行っている場合がありますので、詳しくはご加入の医療保険者へ受診制度や補助(助成)金などについて、お問い合わせ下さい。
 特に女性特有のがん検診は、職場の健診で受けられない場合が多いですので、職場の健診ご担当者へ、職場の健診の中で受けられるようにできないか相談されてみてはいかがでしょうか。


 なお、当会では、保健師によるがん予防の教育活動もおこなっています。どうぞお気軽にご連絡ください。


  新潟県労働衛生医学協会 健康づくり推進部  ℡370―1945