医療コラム

『お薬手帳』って本当に必要なの?

『お薬手帳』って本当に必要なの?

 

本町6アーケード内 ぷらっと本町ビル1階
 しなの薬局 本町店 薬局長 田中 悠介
日本薬剤師会 認定薬剤師

 

「お薬手帳はお持ちですか?」処方せんを持って薬局を訪れた際に、このように聞かれたことがある方は多いのではないでしょうか。
 今回は、『お薬手帳』がなぜ必要なのか、ご説明します。
 『お薬手帳』の役目の一つとして、お薬の「飲み合わせ」を確認できるということがあります。
 一つの医療機関だけではなく、複数の医療機関を受診される患者さんの場合、一緒に服用してはいけないお薬が出ることが時々ありますので、受診の際、『お薬手帳』を医師・薬剤師に見せることで、「飲み合わせ」による副作用を未然に防ぐことができます。
 また、最近ではジェネリック医薬品の普及も進み、同じ成分で、名前が違うお薬も数多く出回っているため、同成分の薬の重複投薬も心配されますが、『お薬手帳』を見せることで重複して服用することも防ぐことができます。
 そして何よりも東北地方太平洋沖地震の際、お薬を持ち出すことができず、服用していたお薬の名前がわからなくなってしまった方の中で、『お薬手帳』がカバンに入っていたおかげで薬の名前がわかり、服用を続けることができたということがありました。
 このような事例を機に、『お薬手帳』を患者さん全員に持って頂こうといった改正も行われています。
 『お薬手帳』はただ持っているだけでは効果を発揮できませんので、医療機関を受診される際は必ず医師・薬剤師に見てもらい、また、いざというときにはすぐに持ち出せるようにしておきましょう。
 しなの薬局の『お薬手帳』は、アレルギー歴、副作用歴記入欄に加え、小児のお薬の飲み方、坐薬の使用法の説明等も載せています。
 個人が自由に書き込んで利用することもできますので、是非ご活用ください。