医療コラム

ドライアイ

ドライアイ

 

新潟市中央区田町1-3239-1(旧済生会新潟病院跡)
いかい眼科 院長 井海雄介
㈳日本眼科学会認定 眼科専門医

 

 スマートフォンやパソコン、テレビの画面などを見続ける生活により、知らず知らずのうちに目を酷使し、その結果、目が疲れやすい、あるいは何となく目に不快を感じるという人が増えています。
 こうした疲れ目などの原因として注目されているのが眼の乾き、ドライアイです。
 一般的なオフィスで30%、コンタクト装用者で40%がドライアイとも言われています。
 ドライアイは、文字通り、涙の量が足りなくなることだけではなく、涙の質や成分が変化したりすることによって、目の表面のバランスが崩れ、傷などを起こす目の病気です。
 「眼が乾く」と感じる人は意外に少なく、なんとなく目に違和感がある、目が疲れる、というような不定愁訴としてあらわれます。
 充血、目が重い、しみる、ヒリヒリする、などのほか、時間がたつと目がかすんでくる、など、さまざまな症状がでてきます。
 生理的に涙の質、量が減ってくる高齢者・乾燥した室内で長時間のパソコン作業・コンタクトレンズ装用者・レーシックなど近視矯正手術を受けた人など、若年者から高齢者まですべての年代でドライアイになる可能性があります。
 治療は、涙液産生量が低下するタイプのドライアイには、水分を保持する効果のあるヒアルロン酸を多く含む点眼を使用し、一方、涙液の蒸発量が増加してしまうタイプのドライアイには、蒸発量を抑え、涙液の質を改善させるためにムチンという粘液物質が入った点眼を使用します。
 点眼で改善しない場合は、涙点プラグ挿入治療を考えます。
 涙点と呼ばれる涙液の排出される穴に、シリコン素材でできた栓(涙点プラグ)を挿入して、涙液が目の表面に溜まるようにする治療です。
 取り外しも簡単なので安心、手軽に出来て、治療効果の高い方法です。
 ドライアイの検査は痛みや我慢を伴うことはないので、気軽に眼科専門医を受診してください。