医療コラム

『痔のおはなし – ①』~原因と予防について~

『痔のおはなし – ①』~原因と予防について~

 

新潟市中央区万代3–1–1 メディアシップ3階
てらしま外科内科クリニック 院長 寺島哲郎
日本外科学会認定 外科専門医


 日本人の3人にひとりが患者であるといわれている病気が「痔」です。
 大きく分けて「痔核」「裂肛」「痔ろう」がありますが、軽度の痔核や裂肛ならば手術せずに治療ができます。また、新しい治療法も開発され、手術の痛みも大幅に減少しています。

 

痔の種類
痔核(いぼ痔):肛門にいぼ状の腫れができた状態のことで、最も多いタイプです。直腸と肛門の皮膚部分との境目である歯状線より上にできる内痔核と、歯状線より下の肛門上皮にできる外痔核があります。
裂肛(きれ痔):歯状線より下にある肛門上皮が切れた状態のことです。痛みが強く治りにくいため、悪化しやすいといわれています。
痔ろう:細菌の感染によって肛門内が化膿し、肛門の内と外がトンネルでつながったものです。

 

痔の原因
 痔の主な原因は、便秘や下痢などで肛門に大きな負担がかかることです。
 痔の発症には、普段の生活習慣が大きく関わっているといえます。

 

痔の予防法
 お風呂は湯船にゆっくりつかる。入浴は、おしりが温まることで肛門のうっ血が改善されます。
 排便は3~5分程度とする。出ないときは無理せず切り上げるように習慣づけましょう。長時間、強くいきむ事は避けましょう。
 便秘や下痢にならない。食物繊維をしっかりとる、お酒を控えるなど、食生活の見直しが大切です。
 朝食をしっかりとる。朝は食事をとることによって起こる反射作用で最も便意が起こりやすい時間帯だからです。
 同じ姿勢を続けない。同じ姿勢を続けていると、肛門がうっ血してしまいがちになります。
 無理なダイエットはしない。栄養素のバランスがよい食事を心がけるとともに、食物繊維をしっかりとるようにしましょう。
 次回は痔核の治療についてご説明いたします。