医療コラム

働く世代に多いがんについて

働く世代に多いがんについて


(一社)新潟県労働衛生医学協会

  健康づくり推進部 保健師 鈴木 沙織

 私たちのおよそ2人に1人が、がんになり、かかった人の3人に1人が、がんで命を落としています。日本は世界有数の「がん大国」であります。がんは『他人ごと』ではありません。
 今回は、働く世代に多いがんと、それを早期発見するために必要ながん検診の助成事業についてご紹介します。

1、働く世代に多いがん
●大腸がん
 大腸は筒状の臓器で、大腸の壁はいくつかの層が重なってできています。大腸がんは、その最も内側をおおう粘膜から発生する病気です。近年男女とも40歳代・50歳代に増えています。

●乳がん
 乳房の中にある乳腺(母乳をつくるところ)にできるがんです。特に40歳代後半に最も多く発生しています。女性にできるがんの中で一番多く、乳がんだけで交通事故死の2倍の方が亡くなっています。

●子宮頸がん
 子宮の入り口である子宮頸部の表面の細胞から発生するがんです。近年20歳代や30歳代の若年層で増加傾向にあります。子宮頸がんは、若い女性の妊娠や出産の可能性を、さらに健やかな日常生活を奪うことになります。

2 、がんを早期発見し、早期治療するために、がん検診を受けましょう
 働く人のがん対策は、医療保険者や市町村が実施主体となり、生活習慣病予防健診や各種がん検診などでがん対策を行っています。医療保険者によって、生活習慣病予防健診の中にがん検診の検査項目が含まれている場合や、がん検診として独立し
て検査を行っている場合がありますので、詳しくはご加入の医療保険者へ受診制度や補助(助成)金などについて、お問い合わせ下さい。
 特に女性特有のがん検診は、職場の健診で受けられない場合が多いですので、職場の健診ご担当者へ、職場の健診の中で受けられるようにできないか相談されてみてはいかがでしょうか。


 なお、当会では、保健師によるがん予防の教育活動もおこなっています。どうぞお気軽にご連絡ください。


  新潟県労働衛生医学協会 健康づくり推進部  ℡370―1945