医療コラム

糖尿病について

糖尿病について


(一社)新潟県労働衛生医学協会

  健康づくり推進部 保健師 鈴木 沙織

 糖尿病は、血液中のブドウ糖が多い(高血糖)状態が慢性的に続く病気で、大きく分けて「1型糖尿病」と「2型糖尿病」があります。
 1型糖尿病は、自己免疫により血糖値を下げる働きのあるインスリンというホルモンが、全くあるいはほとんど分泌されないことで発病する糖尿病です。
 2型糖尿病は、糖尿病全体の9割以上を占めており、肥満・運動不足・ストレスなどをきっかけに発病し、インスリンが出ていても効果が作用しにくくなる病気です。初期段階では、自覚症状が無いことが多く、放置し状態が進行すると、網膜症や腎臓病、足の壊疽など怖い合併症に繋がる恐れがあります。今回は、2型糖尿病の予防のポイントを紹介します。

1 健康診断のポイント
 職場の健康診断では、糖尿病に対して血液検査と尿検査を行います。血液検査では血糖値とヘモグロビンA1cに、尿検査では尿糖に注目してください。異常があったら放置せず、かかりつけ医か糖尿病の専門医に相談しましょう。これが早期発見のポイントです。また、健康診断の肥満にも注目しましょう。

2 食事のポイント
 肥満を予防するために、摂取エネルギー量を適正にすることが大切です。具体的には、次の6項目がポイントです。①腹八分目を心がける②食品の種類をできるだけ多くする③脂肪は控えめにする④野菜、海藻、きのこなど、食物繊維を多く含む食品をとる⑤朝食、昼食、夕食を規則正しくとる⑥ゆっくりよく噛んで食べる。ご自身の食生活を見直しましょう。

3 運動のポイント
 運動はインスリンの働きを改善する効果があります。できれば毎日行うことが基本ですが、少なくとも隔日に1週間3日以上の頻度で実施することが望ましいとされています。例えば、歩行運動であれば1日1回30〜40分間、さっさのリズムで、続けて歩く、またはこれを2回に分けて歩くことです。


 当会では、保健師等による糖尿病予防の教育活動もおこなっています。どうぞお気軽にご連絡ください。


  新潟県労働衛生医学協会 健康づくり推進部  ℡370―1945