医療コラム

様変わりする補聴器事情 ③(購入とその後)

様変わりする補聴器事情 ③(購入とその後)

新潟市中央区長潟 315番地
大滝耳鼻科クリニック 院長 大滝 一
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医
日本耳鼻咽喉科学会学校保健委員会委員
新潟市医師会理事

 補聴器をつけてみようと思った場合、さてどうしましょうか。
 補聴器専門店に相談に行く、補聴器を扱っているメガネ屋さんで見てみる、通信販売で比較的安価な補聴器をためしに買ってみる、などがあるかと思います。
 いずれも、これはダメということはないのですが、その前に耳鼻いんこう科を是非受診してください。
 「このところ、おばあちゃんの聴こえがうんと悪くなって」と受診され、耳をみるとコルク栓のような耳垢が詰まっていたり、鼓膜の奥に水が貯まる中耳炎となっていることもあります。
 このような場合には、治療をすることで聴こえがかなり良くなります。
 このように、まずは耳の病気があるかを耳鼻いんこう科でチェックする必要があります。
 その後に聴力検査をし、音や言葉を聴きとる力がどの程度かをきちんと調べることが大事です。
 そのうえで本当に補聴器が必要か、家族を含めた本人と医師でよく話し合い、最終的に補聴器が必要となったら、認定補聴器技能者のいる補聴器専門店で相談することをお勧めします。
 医院に技能者がきてくれるところもあります。
 認定補聴器技能者とは、補聴器に関する講習を受け、試験に合格した技能者のことです。
 県内でも最近増えつつあります。
 そして、ここが極めて大事なのですが、補聴器を購入する前に、実際の生活の中で試してみることです。
 不満があれば、何回か調節してもらい、効果があると思われたら購入の方向で話を進めてみてください。
 すぐに購入する必要はありません。
 具体的にどのような補聴器がいいかというと、一般的には、機種が豊富で操作もしやすい耳掛け型で、雑音防止機能などの付いたデジタル式の5万円から10万円程度のものがいいかと思います。
 また購入した補聴器は定期的に点検し、年に1回程度は耳鼻いんこう科を受診し聴力をチェックしてもらうことも忘れないでください。